椿(ツバキ)と、山茶花(サザンカ)の違い
主な違いはこの4つ
1、花の咲き方2、おしべの形
3、開花時期
4、葉の形
本物を見ると藪椿は間違いにくいですが、様々に異品種改良された園芸種になると違いが判りにくいですよね。
両方ともツバキ科ツバキ属、同じ種族の樹木だからなのですが、ビーズフラワーをはじめ造花はその違いを強調して作った方がそれらしくなるので、具体的に違いをみていくことにしましょ〜♪
似顔絵も特徴を強調するとそれっぽいですもんね、笑。
*花の咲き方
椿=筒状山茶花=椿に比べると開き気味で平面的
*おしべの形
椿=筒状山茶花=解放状
*開花時期
椿=12〜4月 花の季語「春」山茶花=10月〜1月 花の季語「冬」
*葉の形
椿=山茶花に比べて大きめ、艶が目立つ山茶花=椿に比べて小さめ、ギザギザが目立つ
※葉の違いはこういわれていますが、実物を見て歩いた実感としては分かりづらかったです(;^_^A
散り方の違いは、花の構造の違いにあった!
椿も山茶花も、花弁が1枚ずつ離れている離弁花というものに区別されてはいるのですが、椿の花弁は根元が花弁同士くっついていたり、おしべにくっついていたりします。
そして、おしべ同士広く根元がくっついている。
なので、散るときには椿は花ごと落ちます。
山茶花は完全離弁花でおしべともくっついていないので、花弁だけ散ることができます。
次に個別に写真で見ていきます。
■□■ 椿 ■□■

古来より茶花としても愛され、親しみ深いお花です。
茶花の椿としては侘助(わびすけ)が有名でしょうか。
わびすけは、まだ実物を見たことがないので、写真に収められたらまたUPします♪
とても愛されているが故、室町時代からすでに品種改良が試みられていたようです。
今回キットにもした藪椿は、多種多様に品種改良され、たくさんの園芸種が存在している椿のもとになっていることが多く、特に断りがない限り椿といえば藪椿をさすことが多いようです。
上の写真のように筒状に咲くというのがよくわかる品種です。
そして平開しきらず、散ります。
もう少し開いたものを横から↓

この咲き方とならんで、椿の最大の特徴はおしべの形状ですが、
なぜ筒状になっているかというと、
おしべが一本ずつ独立しているのではなく根元がくっついているからです。↓

たしかにこの形状ではおしべが筒状になるはずだと、納得です。
散るとこの様な感じです↓

花弁だけでなく、花ごと落ちます。
しかし、ガクとめしべは残ります↓上の写真をよく見ると、たしかにどの花にもガクは付いてませんね(・□・;)

さて、次は山茶花です
■□■ 山茶花(サザンカ) ■□■

こちらは山茶花。
歌にもよく歌われ何かと名前はとても有名なのに、知名度のわりには花自体はあまり認識されていない気がします(笑)
友人は、「あれって椿だと思っていた」と言っていました。
そんな山茶花ですが、違いを意識してみると花弁もおしべも広がる傾向にあります。
最大の違いのおしべに近寄って、アップで。

おしべ同士、完全な独立ではないのですが連なっている範囲がとても狭いです。
なので、筒状にならず広がることができます。
真正面から見るとこんな感じ↓

やはり花弁単独で散ります↓

アレンジの際には、椿を作って花弁だけを散らすと違和感がでますし、山茶花だと花弁を散らすとそれっぽい。
またもう一点、山茶花も椿も同時期に咲いていることもあり、どちらも雪が似合うというか冬っぽいといえば冬っぽいのですが、季語としての違いもあるのでそれぞれの季節に合った(椿の花は春、山茶花の花は冬)他種のお花と合わせるようにすると、アレンジの際にはしっくりくるかと思います。
寒椿もそうですが、園芸品種には見分けのつきにくいものもありますので、こだわる必要はないと思いますが、ビーズフラワーの作り方に迷った時には参考になればうれしいです(#^.^#)
【まとめ】
椿はおしべや花弁の並びを筒っぽく、山茶花は少し平面的に作ると、それらしくなりそうです。【あとがき】
生花を見ての鑑別で一番大きな違いは、散るときに花ごと落ちる(椿)か、花弁から散っていく(山茶花)かというのがわかりやすいです。(椿と山茶花の交配種である寒椿を除く)
この特性を強調してアレンジの周り(地面)に花を散らすか、花弁を散らすかでそれっぽく見せるという技もありだとは思います。
花を作るとき、アレンジをする時の参考になりそうなものをピックアップしました。
ビーズフラワーで作る際にもこのポイントを抑えると、それぞれの花らしくなりそうです。作品について語るとき、こういう違いを知ったうえで、ご説明を加えれば作品の説得力も増しますので雑学的に読んでいただければ♪
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更新 2021年10月30日